代表的な洗浄方法の種類と特徴

◆ 超音波洗浄

超音波(耳に聞こえない音)を液中に放射し、液中に存在する無数の気泡分子を爆発させた時の衝撃波で洗浄物に付着した汚れを剥離させる洗浄方法。現在最もポピュラーな方法。

 【特徴】
・大量に油分が付着している部品洗浄、乾燥固着している部品などの洗浄に適している。
・超音波振動を利用して埃やゴミやパーティクル洗浄に適している
・周波数、洗浄工程、洗浄液の選定などを十分検討して導入する必要がある

◆ スプレー・シャワー洗浄

ポンプで加圧された洗浄液をスプレー・シャワーノズルから噴射させて強力な水圧等を利用し洗浄する方法。

 【特徴】
・洗浄物の詰め過ぎ、液があたる方向などを考慮して洗う必要がある
・泡立ちが少ない、洗浄液を使う必要がある
・スプレー・シャワーを正確に被洗浄物に当てる事がポイント。ノズルの選定が重要になる

◆ バブリング洗浄

被洗浄物がデリケートな素材でシャワー洗浄などができない場合に用いられることが多い洗浄方法。

 【特徴】
・すすぎ工程や仕上げ工程などに用いられる

◆ 真空洗浄

真空ポンプでチャンバー内の空気を排出し、液内の空気を取り除くことで洗浄効果をアップさせる洗浄方法。

 【特徴】
・被洗浄物に細かい穴などがある場合の洗浄に適している
・コスト面で割高なため、対象は限られてくる

◆ スピン洗浄

バスケットまたは洗浄物単体にて、これを回転し洗浄する方法。

 【特徴】
・洗浄物に直接シャワー、高圧水等を当てて洗浄
・回転ブラシでのブラシ洗浄

代表的な乾燥方法の種類と特徴

◆ 熱風乾燥

熱風機やブローヒーターなどから槽内に熱風を送ることで被洗浄物を乾燥させる。最も広く行なわれている方法。

【特徴】
・安価での導入が可能
・他の乾燥方法との併用が容易
・乾燥時間が短い
・大量の部品にも対応できる
・乾燥槽の耐熱対策が必要
・高温乾燥のため、部品が冷めるまで後工程に移ることができない

◆ 真空乾燥

大量の部品や、部品の無貫通穴の内部に入り込んだ水分を減圧の変化で乾燥させる方法。

【特徴】
・大量部品の乾燥に適す
・無貫通穴の内部水分除去に適す
・他の方法よりも条件によっては乾燥が速い
・大型の真空ポンプが必要なため、導入コストが高い
・水系洗浄剤や溶剤系では乾燥条件が異なり、水系は特に困難

◆ 蒸気乾燥

アルコール系溶剤、フッ素などの代替フロン溶剤、炭化水素系溶剤などを用い、液を煮沸させた蒸気中に被洗浄物を投入し、温度差による表面の凝縮作用にて汚れを流し落す方法。特に炭化水素系溶剤を用いた場合は、減圧状態での蒸気乾燥方式が主。

【特徴】
・均一乾燥
・乾燥後、後工程が迅速に行える(使用する溶剤による)
・乾燥性がよい
・冷却水など、付帯設備のコストがかかる
・蒸気乾燥可能な液が少ない
・代替フロン溶剤のコストがかかる
・IPAを使用する場合、防爆構造にする必要が生じる

◆ スピン乾燥

遠心力を利用して乾燥させる方法。
スピン乾燥と熱風(温熱)乾燥の併用も多用されている。

【特徴】
・バスケット内の大量ワーク及び個別単位のワークの乾燥に有効
・破損、折れ、曲がりが懸念される部品には不向き

洗浄後のコーティング装置も得意としています!

◆ スプレーコート

特殊2流体ノズルを搭載し、スプレー方式によりワーク上に液体を噴射する。

【特徴】
・ウェハやガラス基板など精密部品にレジスト塗布も可能
・その他各種用途により多彩なコート膜を塗布

◆ 縦型両面スピンコート

ワークを縦置きにした状態で回転し裏表同時に塗布する。

【特徴】
・塗布膜にもよるが基板の平置き状態より均一性の向上が期待できる

◆ コート膜回収機能型 密閉両面スピンコート

ワークを平置きにした状態で回転し裏表同時に塗布する。振り切った液を再び密閉状態のカップ内で回収を行う。

【特徴】
・高価なコート膜を密閉状態の中で回収し再利用することができる